
単品通販とは、主に1種類の商品だけを販売していく形態の通信販売のことです。完全に1種類だけとは限らず、商品の種類は複数あっても同一ブランドのラインナップであれば単品通販と呼ばれます。
たとえば化粧水と美容液、洗顔クリームの3種類を販売していても、それらがすべて同じブランドで、かつその1ブランドしか取り扱いがなければ単品通販です。
1ブランドしか取り扱わないという性質上、多くの場合、自社のオリジナル商品を販売しています。
単品通販というフレーズは特にEC運営をするにあたりよく耳にする用語で、EC運営に関する多くのメリットを持っています。
単品通販の特徴を知ることはEC運営に関わる人には必須といっても過言ではありません。
通販ビジネスにおいて売上UPを図るための重要な要素になるので、よくわからないという方はこれを機に「単品通販」の理解を深めましょう!ここでは、単品通販の特徴やメリットを解説します。
▼目次
単品通販と総合通販の違いは?
通販の形態には大きく分けて「単品通販」と「総合通販」があります。
まずはそれぞれの形態について基本的な情報を確認していきましょう。
- 商品数…少ない(基本的に1種類の商品、もしくは1種類のブランドの商品を取り扱う)
- リピート率…高い(新規よりもリピーターの売上が全体の売上を支える構造)
- 集客力…弱い(商品数が少ない故に集客力は弱い)
- 利益率…高い(オリジナル商品を販売することで利益率が高くなる)
総合通販
- 商品数…多い(様々なカテゴリ、ブランドを取り扱っている)
- リピート率…低い(単品通販のサイトと比較すると新規売上の比率が高い傾向)
- 集客力…強い(商品点数が多い分、集客力が強くなる)
- 利益率…低い(1商品当たりの利益率は低くなる傾向があり、薄利多売になる)
商品の種類やサイトによって異なりますが、大まかには上のようなイメージです。
単品通販とは?
単品通販とは、「取り扱う商品やカテゴリーを限定した通販形態」のことを言います。
商品の幅は広くせず、客層やリピート性を重要視している点が特徴にあげられます。
通常の通販と比較しても「リピート購入を増やすこと」に重きを置いている場合が多く、単品リピート通販と言われることもあります。
例えば、化粧品や健康食品などは単品通販の代表的な商材の1つ。
オリジナル商品を扱うなどすることで、ブランド力や利益率を高めることができるのも単品通販の強みです。
半面、総合通販に比べ商品点数が少ないため集客面でのハードルが高い点がデメリットと言えます。
総合通販とは?
総合通販とは、「食品やアパレル、インテリアなど多くのジャンルの商品を取り扱う通販形態」です。
Amazonや楽天などは総合通販の代表例。
豊富な品揃えの中から顧客が欲しいものを探してもらう仕組みをとっており、ネット上のショッピングモールのようなイメージに近いでしょう。
単品通販に比べ集客面では強いですが、利益率が低くなる傾向があり価格競争に巻き込まれやすい点はデメリットと言えます。
単品通販の特徴・メリット
ここからは単品通販についてさらに理解を深めるために、単品通販の特徴やメリットを総合通販と比較しながら説明します。
新規参入が簡単!経営も効率的!
総合通販では取り扱う商材ジャンルが広く、規模が大きいことが特徴なので、初期投資や保管・流通コスト、人件費などが膨大になります。経営リスクが大きくなるため、中小企業の参入は困難といわれています。
対して単品通販では特定のジャンルの商品しか取り扱わないため、ビジネスを始める際の初期投資が比較的少なく済みます。さらに、一からビジネスを始める際は、商品を限定して商品や顧客を集中して管理した方が運営もしやすいのです。
つまり、単品通販は新規参入しやすい通販の形態と言えます。また、総合通販ではあらゆるジャンルの商品を取り扱うため、各商品に合わせた販売促進活動をしなければならないのに対し、単品通販では一つの商品に絞り込んで販売促進をすることができます。
経営上大きな負担となる広告宣伝費に膨大なコストをかけなくてもいい、手軽に新しいことを始めることができる通販形態なのです。
商品をアピールしやすい!
総合通販において、多くの商品の中で個々の商品を消費者にアピールすることは困難です。
しかし、単品通販は一つの商品に多くの情報を使ってアピールすることができます。他社とは違う製法、オリジナリティ、開発の秘話やこだわりといった多くの魅力的な情報を消費者に伝えることができます。
つまり、顧客とのコミュニケーションを重要視した商法と言えます。これは単品通販の大きなメリットです。
逆に、多くの魅力的な情報を引き出すことができない商品や、リピート性が低い商品は単品通販には適していないと言えます。
顧客生涯価値(LTV)を上げることができる!
効率的なマーケティングに必要なものとして、高い顧客生涯価値(LTV)が挙げられます。
LTVを高めるためにはリピート率が重要な指標になります。
単品通販では、ユーザーを絞り込むことで顧客とのコミュニケーションを多くとることができるので、そこから顧客の声を集めて経営に繋げ、顧客満足度の上昇、顧客のファン化を図れます。
ファン化した顧客はリピート率が上昇するので、全体のLTVを上げることができます。
単品通販におけるECカートの選び方
さて、ここまで単品通販の特徴を詳しくご紹介してきましたが、ここからはカート選びについて見ていきましょう。
単品通販でのECカート選びにはいくつか押さえておきたいポイントがあります。
1.定期購入機能が用意されているか?
単品通販では、リピーター獲得の有無が売上に大きく影響します。
そのため、カートを選ぶ際もリピーター獲得に強いサービスを選びたいところ。
具体的には、定期購入機能やリピート機能が用意されているサービスを選ぶようにしましょう。
こうした機能が用意されていれば、初回購入やサンプル商品を購入したユーザーをスムーズにリピーターへと引き上げることができます。
2.ステップメール機能があるか?
ステップメール機能も単品通販のカート選びの際にはチェックしておきたい項目です。
ステップメールは定期購入機能とおなじくリピーター獲得に効果の高い機能ですが、顧客満足度を高められる点も魅力の1つ。
例えば、商品の使い方や正しい使用法などをステップごとに配信することで、ユーザーへ安心感や信頼感を提供できます。
こうしたサイクルを通じてリピート購入や購入金額のアップに繋がれば、サイトに大きな利益を与えてくれるでしょう。
3.顧客の管理・分析機能は使えるか?
単品通販では顧客の情報や行動に対して詳細な管理・分析が必要となります。
顧客情報の管理や分析を行える機能が使えるのかも、単品通販のカート選びでは重要なポイントです。
こうした情報をもとに円滑なPDCAサイクルを回していくことが売上アップに繋がります。
4.商品管理機能は利用できるか?
通販サービスでは、商品の仕入れや在庫の管理が事業者にとって少なくない負担となります。
このような負担を軽減し、円滑な商品管理を行える機能があれば、事業者の負担も軽減されるでしょう。
単品通販はメリットが多い!
単品通販は限定された商品を取り扱う通販形態であり、上記の通り多くのメリットがあります。単品通販のメリットは以下のようにまとめることができます。
- 初期投資が少なくて済むことから中小企業にとって新規参入しやすい。
- 販売促進を効率よく進めることができる。
- リピート率を上げることで顧客生涯価値が向上する。
これらは単品通販の主なメリットですが、商品によっては単品通販に向いていないものもあります。
リピート性が乏しい商品や顧客に伝えるべき情報が少ない商品は、単品通販のメリットを活かせないままになってしまう恐れがあります。単品通販をする場合は、顧客がファン化しやすいリピート性の高い商品を取り扱うことが重要です。