【事例考察】成功している食品・飲料系通販(EC)はどんな取り組みをしているの?

食品・飲料通販のサイトを運営している方のなかには「競合も多く、粗利も少ないという商材の特性のなかで、今後どうやって売上を伸ばしていこうか」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

筆者がこれまで見てきた年間数億円以上の売り上げをつくっていると思われる食品・飲料系通販サイトを「企画」という視点で見ていくと、以下のような共通点が挙げられます。

  • ・常に何か企画を走らせている
  • ・企画ごとにターゲットを決めている
  • ・メルマガやDMなど顧客とのタッチポイントに力を入れている

この記事では「メルマガ・企画の頻度・企画の特徴」を軸にチェックしながら、食品・飲料通販サイトの企画の運用事例をご紹介します。明日からのサイト運営のお役に立てれば幸いです。

食品・飲料のECの市場規模やEC化率は?

ec market size

まずは、食品・飲料のEC全体の動向を把握するために、市場規模やEC化率についてのデータを見ていきましょう。

市場規模は大きいがEC化率が伸び悩む

経済産業省が行ったECに関する調査結果によると、2018年度の食品・飲料・酒類の市場規模は1兆6,919億円となっています。

分類 市場規模(2018年度) EC化率
食品、飲料、酒類 1兆6,919億円 2.64%
生活家電、AV 機器、PC・周辺機
器等
1兆6,467億円 32.28%
書籍、映像・音楽ソフト 1兆2,070億円 30.80%
化粧品、医薬品 6,136億円 5.80%
生活雑貨、家具、インテリア 1兆6,083億円 22.51%
衣類・服装雑貨等 1兆7,728億円 12.96%
自動車、自動二輪車、パーツ等 2,348億円 2.76%
事務用品、文房具 2,203億円 40.79%

上記は物販系ECの分野別の市場規模とEC化率を一覧にした表ですが、食品・飲料は衣類・服装雑貨等の1兆7,728億円に次ぐ数字で、市場規模の大きさが窺えます。前年比でも8.60%の増(1兆5,579億円:2017年度)と、成長率も高水準を保っています。

一方で気になるのがEC化率です。ECを通じて商品を購入した割合を表すEC化率ですが、食品・飲料では2.64%に留まっています。これは事務用品・文具系の40.79%や生活家電系の32.28%と比較すると大きく見劣りする数字で、まだまだECサイトで食品や飲料を購入する割合が少ないことが分かります。

参考サイトはこちら→平成30年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)

事例1:ハイ食材室(はいしょくざいしつ)

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メルマガ頻度:ほぼ毎日
企画頻度:ほぼ常に何かしら開催
企画特徴:定期企画モノと突発企画モノを混在させている

ここからは、食品・飲料系通販で成功を収めている事例を詳しくご紹介していきます。

まずご紹介するのが、ハイ食材室(はいしょくざいしつ)です。

常に何かしらの企画が走っている

我が家の冷蔵庫・冷凍庫にハイ食材室の商品がない日はない、と断言できるくらいお世話になっているこちらの通販サイト、既にご存知の方も多いと思います。

2017年には、ハイ食材室社長他4名でnigiruを共同設立。都内にオープンした食パン専門店「Viking Bakery(バイキングベーカリー)」も話題になりました。

ハイ食材室では、ほぼ常に何かしらの企画が走っています。定期的に開催されているのが「999円祭」「くるくる変わるウィークリーSALE」「○○時間限定送料無料祭」、突発的に開催されるているのが「世紀のお助けコール」などになっています。(ちなみに年明けには気合いの入った絶対にお得でリピーターなら必ず買ってしまう魔法のような福袋も毎年販売されます)

ターゲット設定と分析で企画効果を最大化

初めて購入する人は999円祭が買いやすいかもしれないですし、リピーターなら送料無料祭で狙っていた商品をまとめて買いやすいかもしれない─。目をつけていたけれど購入まで踏み切れなかった商品がウィークリーSALEに出ていれば、買いやすいかもしれない─。

おそらくそれぞれの企画には店舗側でターゲットが設定されており、企画を繰り返しながら購入率や購入される商品を分析して、精度を上げているのでしょう。

そしてハイ食材室では、一つの企画を開催するにあたり
告知→スタート→中盤→終了間近
というかたちでだいたい4通のメルマガを配信しています。

当たり前のように感じるかもしれませんが、通販サイトで企画の効果を最大化するために非常に重要となるところです。できていない場合は必ず配信するようにしましょう。

余談ですがハイ食材室から届く商品は箱から素敵ですし、同梱されている紙類も素敵で、筆者はいつも届くのをとても楽しみにしています。

事例2:井上誠耕園(いのうえせいこうえん)

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メルマガ頻度:2?3日に1回程度
企画頻度:ほぼ常に何かしら開催
企画特徴:企画のスパンが比較的長い

続いてご紹介するのが、井上誠耕園(いのうえせいこうえん)です。

ターゲットに合わせた企画と開催期間

こちらも我が家に常駐している調味料および化粧品は井上誠耕園の通販サイトで購入したもの。新聞広告やテレビCMで目にしたことがある、という方も多いのではないでしょうか。

井上誠耕園でもほぼ常になにかしらの企画が走っていますが、特徴的なのは一つの企画が比較的長いスパンで開催されているということです。事例1でご紹介したハイ食材室では、短ければ数時間?72時間程度までが多いですが、井上誠耕園では一つの企画が約1ヶ月程度のスパンで開催されています。

ウェブに限らず、ハガキや電話での注文が多いことを見越して(購入客の年齢層が高いため)、このような形式を採用していることが予想できます。ターゲットに合わせて企画の内容だけでなく、開催期間を考えるのも重要だということが分かります。

ファン化を促す効果的な取り組み

メルマガの配信頻度を見ると2?3日に1回程度となっており、企画の本数の割には多いかな?と感じますが、よく読んでみると、どのメルマガもかなり充実した内容です。

オンライン限定商品や新商品のお知らせはもちろん、スタッフだけが知っているような商品の裏ワザ的な使い方の紹介だったり、お花が咲きました、という季節の挨拶だったり、まるで実家の母からLINEで連絡がくるような雰囲気のメルマガが届きます。文末の署名部分以外はサイトへのリンクが貼られていないこともあって、驚くほどです。

井上誠耕園のもう一つご紹介したいところは、どのチャネルから購入しても必ず、定期的に郵送でDMが届くところです。DMには商品サンプルがついていたり、すぐに注文できるようによく購入される商品が既に記載された注文用紙が付属していたりと、なんともニクい心遣いが満載です。

メルマガやDMを見ていると、自社の商品をもっと知ってほしい、なぜなら自分たちがたくさんの愛情を込めて大切に作っていて、自信を持っておすすめできる商品だから、という気持ちが感じられます。
無理に売ろうとせず、愚直に自分たちの想いや哲学を伝え続けていくのも、自社のファンになってもらうには効果的な取り組みです。

ちなみに筆者は先日初めてウェブではなく電話で注文をしてみましたが、自宅用なら箱無しで安くなります、これとこれを買うならセットがあるのでこのセットで買えば他の商品も含めて全て送料無料です、など非常に親切にご案内いただきました。サイトだけでなく、オペレーターの方もすばらしかったです。

事例3:LOHACO(ロハコ)

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メルマガ頻度:週1回(月2?3回)程度
企画頻度:ほぼ常に何かしら開催
企画特徴:クーポンやポイント系が多い

3つ目にご紹介するのがLOHACO(ロハコ)です。

商材ベースで企画を仕込む

食品・飲料だけでなく日用品やブランド品まで幅広く取り扱うLOHACOですが、今回ご紹介している食品・飲料系通販サイトの中ではメルマガ配信の頻度は一番低く、また企画内容も他サイトとは少し毛色の違うものになっています。ほぼ常に開催されているのは一部の取り扱い商材のポイント還元率をアップしたり、クーポンを配布したり、という企画です。

それ以外では、LOHACOだけのオリジナルパッケージで商品を販売したり、季節に合わせた特集ページやセット商品を販売したりなど、イベントを開催するのではなく商材ベースで企画を仕込んでくるのがLOHACOかな、という印象です。

また言わずもがなですが、他サイトでも買うことのできる商品を取り扱っているので、送料無料ラインが1,900円という安さであることや、アスクルらしい配送の早さもLOHACOの魅力の一つになっています。

優れたサイト設計やデザイン

そして他サイトになく優れていると感じるのは、定期購入やリピート購入のしやすさです。これは企画ではなくサイトの設計やデザインの問題になってきますが、LOHACOでは過去に購入したものを再度購入するのが非常に簡単ですし、煩わしい定期購入の手続きもなく、スムーズに定期購入をスタートすることができます。

筆者は普段LOHACOをアプリで使用していますが、個人的にはAmazonの定期購入より使いやすいと感じています。見たことがない方はぜひアプリでこの部分の画面遷移を体感してみてください。

lohaco アプリ

事例から見えてくる食品ECでの成功のポイントは?

さて、ここまで食品ECの事例を考察してきましたが、各事例にはサイト運営を成功に導くポイントがいくつも詰まっていました。ここで、重要なポイントを振り返っておきましょう。

ポイント1.ユーザーを飽きさせない

1つ目のポイントは、ユーザーを飽きさせないということ。

これはハイ食材室が実践している手法ですが、比較的短期間のキャンペーンを常に走らせておくことで、ユーザーにマンネリ感を与えることなく、常にサイトでのショッピングを楽しんでもらえる仕組みを築いています。

また、メルマガを使いユーザーへ「告知→スタート→中盤→終了間近」というメリハリのあるアプローチをしている点も、リピーターの獲得には効果的でしょう。

食品・飲料は、日常的に購入する商品も少なくありません。こうしたサイトでは、ユーザーがどうしても新しい刺激を求めて、他サイトへ流れることも考えられます。常に何かしらの企画を走らせておけば、「このサイトに来れば楽しい企画がある!」と再訪を促すことができ、良好なサイクルが生まれるでしょう。

ポイント2.ユーザーのファン化を目指す

2つ目のポイントは、ユーザーのファン化を目指すということ。

これは井上誠耕園の事例から見て取れるポイントで、ユーザーに対して過度な売り込みや目新しいキャンペーンで勝負せず、じっくりと腰を据えてユーザーとの関係性を深めていく手法です。

食品ECにとって一番のハードルは、商品を実際に確認することができないこと。これは生鮮食品など鮮度や安心・安全が問われる商材にとっては大きなハンデになりがちです。しかし、サイト側が真摯にユーザーと向きあい、丁寧な対応を心掛けることでユーザーの心を掴むことはできます。

こうして生まれたファンは、サイトの売上に大きく貢献するだけでなく、口コミやレビュー、SNS等を通じて新規顧客の獲得にも繋がります。

ポイント3.サイトのデザインやユーザビリティを意識する

3つ目のポイントは、サイトのデザインやユーザビリティを意識するということ。

LOHACOでは、定期購入やリピート購入を行いやすいサイト設計を行っています。ユーザーにとっていかに煩わしさを感じることなくストレスフリーでネットショッピングを行えるかは、食品系ECでも重要なポイントといえます。

サイトのテイストや商品の質は良くても、こうしたテクニカルな部分でユーザーを逃してしまうケースは少なくありません。デザイン面や機能性をしっかり意識したアプローチを心掛けましょう。

まとめ

食品・飲料系通販の場合は、繰り返し購入したくなる企画運用の仕組みと合わせて、定期購入につなげていくことが大切です。売り上げのことだけでなく仕入れ・生産の見通しも立てやすくなり、安定した運用がしやすくなります。

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