参考になるアメリカのD2Cブランドの成功事例

参考になるアメリカのD2Cブランドの成功事例

D2Cブランドの躍進は、ここ数年のEC業界を語るうえで欠かせないトピックです。国内でも続々と魅力的なブランドが登場していますが、D2Cブームの震源地と呼べるアメリカでは、未上場で企業価値が1,000億円を超える「ユニコーン」企業も登場しています。

今回は、アメリカのD2Cブランドの中から代表的な成功事例をご紹介します。

D2Cモデルとは?

D2Cとは「Direct to Consumer」の略で、企業が商品の企画・製造から販売にいたるまでのすべてを、自社で完結するビジネスモデルです。2013~14年以降にアメリカを震源地として急速な広がりを見せ、日本国内でも近年続々とD2Cブランドが登場しています。

販売は基本的にECサイトのみに限定され、デジタルテクノロジーをフルに活用しながらユーザーへの価値を最大化。また、ブランドのビジョンやコンセプトといった「世界観」
を重視し、ユーザーに対してストーリー性を持たせた販売戦略を採用しています。

従来までのメーカー直販とは一線を画したビジネスモデルです。

アメリカのD2Cブランドの成功事例7選

D2Cの「本場」とも呼べるアメリカでは、未上場で企業価値が1,000億円を超えるユニコーン企業がすでに7社も登場しています。

【アメリカのユニコーンD2Cブランド】

  • Casper(マットレス)※D2Cユニコーンとして初めて上場
  • Away(スーツケース)
  • Warby Parker(メガネ)
  • allbirds(靴)
  • Hims(シャンプー・育毛剤)
  • Glossier(化粧品)
  • Everlane(アパレル)

 

それぞれのブランドの特徴について、詳しく見ていきましょう。

1.Casper(キャスパー)

  • 創業:2014年
  • 商材:マットレス
  • https://casper.com/

casper

アメリカのD2Cブランドの代表格として挙げられるのが、Casper(キャスパー)です。Casperは2014年の創業からわずか2年で100億円の売上を達成。

マットレスは人間のライフスタイルに欠かせない商品ですが、高価な上に持ち運びの手間がかかるなど、改善すべき課題が多い商材でした。Casperは顧客体験から逆算したプロダクト作りを意識し、女性でも搬入できるサイズや重量感の商品を開発。また、購入後100日間は返品無料で、ユーザーが満足するためのアイデアを次々と実現していきました。

モニターユーザーから睡眠データを得ることで、より高品質な商品開発を実現した点も同社が成功を収めて理由の1つ。D2Cブランドとしてアメリカ初の上場を果たすなど、代表的な成功事例の1つです。

2.Away(アウェイ)

  • 創業:2015年
  • 商材:スーツケース
  • https://www.awaytravel.com

away

スーツケースを扱うD2CブランドAway。2015年に創業した同社は、「商品(プロダクト)ではなくライフスタイル」を売るというD2Cモデルを体現した戦略で成功を収めています。

Awayでは自社で発行する雑誌『HERE』やPodcastの配信などを通じて旅をテーマにした情報発信を積極的に行っています。旅にまつわるあらゆるストーリーや世界観をユーザーに届け、旅に欠かせないスーツケースという商品を購入してもらう戦略です。発信する情報から広告色は最大限排除。あくまでも世界観を表現することを重視しています。

ユーザーはAwayの洗練されたブランドイメージのファンとなり、「Awayの商品を持って旅をしたい」という気持ちを駆り立てます。もちろん、販売するスーツケースが機能性・デザイン性に優れていることは言うまでもありません。

D2Cがメーカー直販と決定的に違いのがこの世界観の部分ですが、Awayはその違いを理解する最高の教材と呼べるでしょう。

3.Warby Parker(ワービーパーカー)

  • 創業:2010年
  • 商材:メガネ
  • https://www.warbyparker.com/

Warby Parker

メガネを扱うアイウェアブランドとしてユニコーン企業へと成長したWarby Parker。同社では、自社ブランドから5種類までのアイテムを選び、5日間自宅で無料試着できる「Home Try – On(ホームトライオン)」というサービスを提供。アプリによるバーチャル試着といったサービスを展開するなど、オンラインで完結できるサービスを展開しています。

一方で、ユーザーとのタッチポイントやブランドの認知度を高めるためにショールームも120店舗展開。オンラインとリアルを融合することで、体験型のブランド構築を実現しました。SNSを利用した積極的なコミュニケーションも、D2Cらしさが感じられるポイントです。

4.allbirds(オールバーズ)

  • 創業:2016年
  • 商材:靴
  • https://www.allbirds.com/

allbirds

「世界一履きやすいスニーカー」をコンセプトに、D2Cとして成功を収めたのがallbirdsです。シリコンバレーのバイオテクノロジー専門家が、軽さや通気性・伸縮性などに優れた上質な履き心地のスニーカーを開発。ほぼすべての素材にリサイクル可能な天然素材を使用し、持続可能・自然に優しい靴というブランドコンセプトがミレニアル世代を中心に人気を集め、世界的なブランドへと成長しました。

機能性とストーリー性を兼ね備えつつ、販売戦略においてSNSやクラウドファンディングといった現代的なツールを活用したことでブランドの認知度を高めた点は、D2Cらしさに溢れた良い事例です。

5.Hims(ヒムズ)

  • 創業:2017年
  • 商材:シャンプー・育毛剤
  • https://www.forhims.com/

hims

創業わずか3年でユニコーン企業の仲間入りをはたしたのが、男性向けシャンプーや育毛剤、ED向けサプリメントを販売するHimsです。

AGA(薄毛)やED(勃起不全)は男性にとって大きなコンプレックスですが、同社ではこのコンプレックスを感じさせないおしゃれなパッケージデザインを採用。SNSも実にデザイン性が高く、男性のコンプレックスをオープンに発信するカルチャーを生み出しました。

同時に、商品の信頼や安全性を担保するための専門的な情報を自社メディアで公開。

こうした取り組みがユーザーから受け入れられ、Himsの商品を撮影してSNSにアップするユーザーが続出するなど、男性コンプレックス商材の分野に革新をもたらしました。

6.Glossier(グロッシアー)

  • 創業:2014年
  • 商材:化粧品・コスメ
  • https://www.glossier.com/

glossier

化粧品・コスメ分野のD2Cブランドなら、Glossierの名前が真っ先に挙げられるでしょう。ミレニアル世代、Instagram世代に絶大な人気を誇るブランドの出発点は、CEOのエミリー・ワイス氏の個人ブログ。美容に関する質の高いコンテンツがまたたくまに拡散し多くのファンを獲得すると、2014年にGlossierを起ち上げるまでに至りました。

同ブログや公式YouTube、SNSなどではブランド起ち上げ以前から積極的なコミュニケーションを実施。ユーザーが何に興味を示し、何を求めているのかを肌感覚で理解できるだけでなく、ブランドを共に築いていくという「共感」や「共創」の意識が、成長の基盤となりました。

メディアを出発点としてブランドを起ち上げる手法はD2Cでは効果的で、コアなユーザーの熱量がそのままブランドの成長に還元されます。

7.Everlane(エバーレーン)

  • 創業:2010年
  • 商材:アパレル
  • https://www.everlane.com/

everlane

持続可能性(サスティナビリティ)やSDGsという言葉が世界的に取り上げられるようになったのは2015年以降。しかしアパレルブランドのEverlaneは2010年の創業時からその考え方をいち早く取り入れブランドとして実現しました。

同社はブランドの商品開発に関わるすべての工程をオープンにすることで、透明性のあるブランド運営を行っています。材料費・労働費・関税・輸送費等の内訳や製造工場の詳細にいたるまですべてをECで公開。つまり、自社の取り組みをそのままストーリーとしてユーザーに届けているということ。

アパレル業界では近年、過剰生産や低価格化が、環境や資源、働き方に悪影響を与えているとして非難の声があがっていますが、Everlaneは逆転の発想で見事な成功を収めました。

まとめ

国内で人気を集めるD2Cブランドですが、アメリカの成功事例を見ていくと、より積極的なデジタルテクノロジーの活用と、徹底した世界観の構築が成功の鍵になっていることが伺えます。とくに世界観の構築は日本のD2Cが苦手としている分野で、今後登場する企業にとっては先行他社に勝機を見い出すポイントになってくるでしょう。

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